動きの規則性
キングは縦・横・斜めに1マスずつしか動けません。
物理的なボードだと一目瞭然ですが、目隠しチェスでは移動元のマスと移動先のマスを利用して計算することでリーガルムーブの判定に確証が持てることもあります。
キングがあるマス (file1,rank1) から別のマス (file2,rank2) に移動できるのは、以下の条件を満たす場合のみです。
max(∣file1−file2∣,∣rank1−rank2∣)=1
つまり、ファイル(列)の変化量とランク(行)の変化量の最大値が1であればリーガルムーブです。
以下の式は、キングの8つの可能な動きすべてを表現しています。
- 水平移動:(1,0)
- 垂直移動:(0,1)
- 斜め移動:(1,1)
数式による解説だけだとわかりにくいので、実際の例を見ていきましょう。
例
e4 → e5(垂直)
- 開始位置:e4 = (5,4)
- 目標位置:e5 = (5,5)
- 計算:
- ファイルの差:∣5−5∣=0
- ランクの差:∣4−5∣=1
- 最大値:max(0,1)=1
- 結果: ✅ リーガルムーブ
d3 → e4(斜め)
- 開始位置:d3 = (4,3)
- 目標位置:e4 = (5,4)
- 計算:
- ファイルの差:∣4−5∣=1
- ランクの差:∣3−4∣=1
- 最大値:max(1,1)=1
- 結果: ✅ リーガルムーブ
c2 → e4(無効)
- 開始位置:c2 = (3,2)
- 目標位置:e4 = (5,4)
- 計算:
- ファイルの差:∣3−5∣=2
- ランクの差:∣2−4∣=2
- 最大値:max(2,2)=2
- 結果: ❌ イリーガルムーブ